講演コラム「65才からの健康づくり」
平均寿命
最近、日本の平均寿命は男80.2歳、女86.6歳と世界でトップレベルの長寿国となっています。
平均寿命…現在死亡状況が変化しないと仮定した時に、今後出生する人が何年生きられるかという期待値のことをいいます。
平均余命…各年齢の人が平均してあと何年生きられるかを表す見込み年数。0歳の平均余命は平均寿命となります。
平均寿命が長いだけでは健康な社会とは言えません。充実に永く働ける、介護を受けずに永く生活が出来る(健康寿命が長い)ことが、豊かな健康社会といえます。高齢者の特性を考慮し、長寿を縮める要因の予防・対処が第一に重要です。
高齢者の身体的特徴
① 予備力の低下
病気にかかり易い、治りにくい
② 体の維持機能の低下
体温、血圧が変動し易い
水・電解質のバランスが崩れやすい
③ 複数の病気や症状を持っている
④ 症状が典型的に現れない
⑤ 現疾患と関係のない合併症を起こしやすい
⑥ 感覚機能の低下
高齢者の寿命を縮める要因
○動脈硬化性疾患
(冠動脈硬化…狭心症、心筋梗塞、心不全)
(脳血管障害…脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
○悪性腫瘍
(胃、肺、大腸、すい、乳、子宮癌)
これらに加えて健康寿命を縮める要因
○体・足・腰の弱り
・ロコモティブシンドローム(症候群)
加齢に伴い、筋肉・骨・関節の運動器の部位に支障をきたし、日常生活が困難になり、悪化すると要介護、寝たきり状態になる症候
・フレイル
年齢に伴って、筋力や心身の活力が低下した状態(虚弱)
・サルコペニア
高齢になるに伴い、筋肉の量が減少していく現象
生活習慣の見直しと改善
健康寿命を伸ばし、健康な生活を送るための基本は生活習慣の見直しと改善が大事です。
○見直し・改善例
・食事の適正化、肥満予防・改善
・塩分摂取制限…食塩にして1日10g以下
・運動によるカロリー消費
・日常生活動作の見直し・改善
・禁煙
・ストレスの解消
平成27年6月3日 砺波市地域包括支援センター主催にて